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死神の浮力 伊坂幸太郎

 

 

死神の浮力 (文春文庫)

死神の浮力 (文春文庫)

 

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

娘を殺された山野辺夫妻は、逮捕されながら無罪判決を受けた犯人の本城への復讐を計画していた。そこへ人間の死の可否を判定する“死神”の千葉がやってきた。千葉は夫妻と共に本城を追うが―。展開の読めないエンターテインメントでありながら、死に対峙した人間の弱さと強さを浮き彫りにする傑作長編。

 

あらすじ

死神「千葉」の結局ほぼ全員に「死」という判定をしているのに

全然憎めなくてやりとりがおもしろかった前作の死神の精度とはかなり趣向の違う作品。

 

 

千葉は調査対象を7日間調査し、調査の結果「可」もしくは「見送り」の判定をするという仕事をしている死神。

他の死神に比べるとちゃんと調査をしているけれどまぁ特段問題がない場合は大体結果は「可」になっている。

 

今回の調査対象は山野辺。作家である山野辺夫妻の子供はサイコパスという良心を持たない男に殺されていた。

夫妻は彼を自分たちの手でさばきたいと思い、目撃者等に協力してもらいあえて彼を無罪にし彼を殺すために行動を始める。

ところがサイコパスの本城は頭がよく少しずつ先回りされる。

 

千葉の同僚香川(つまり死神)は本城についていたが、香川によると「情報部の死亡数調整のための見送りキャンペーンを使って本城を20年の延命保証をした」という・・つまりはこの復讐劇は最後には本城が勝ってしまうのか??

 

 

 

ねたばれ

 

と思って絶望しながら続きをよむと、山野辺は最後千葉と一緒に自転車で車で走る本城を追い詰め彼を最後にはダムに落とすことに成功する。

 

山野辺は彼の死を確信し妻に報告に行く。

そしてその後、事故から子供を救い死亡(つまり千葉は可の判定)

 

そしてダムに落ちた本城。

死ぬのはおかしい(延命保証してるし)と思ったらダムに落ちた本城は骨折しガラスがつきささったままダムの水底に沈むも20年間そこで苦しみながら生き続けてるらしい一人で

 

自己顕示欲が強い彼には最高の復讐

最高の復讐といえばダムに落ちる瞬間、山野辺が「お前誰だっけ??」と本城言うのだけどこれも最高の復讐。

 

最後千葉は別の仕事で山野辺の奥さんを見かける。

山野辺の奥さんの同僚が山野辺氏の本を読んでおり「初期の本がよかったそうですね」と千葉にいうと千葉が「そうらしいな。だが晩年もよかった」と答えるところで終わるんだけど、晩年本は出ていないのできっとこの山野辺の最後の7日間の復讐劇をいってるんだろう

 確かに彼の晩年作は最高によかった。

 

 感想

死神とサイコパスが登場しなおかつ主人公は子供が殺されてる上に

死神によって7日後にはきっと死んでしまうであろうことがわかりながら(死神の千葉は大体「可」の判定をするから)読んでいるにもかかわらず読むのが辛いという部分はほぼなく、時にはぷっとふきだしそうになりながら読むことができたのは伊坂さんの作品ならでは。

 

伊坂作品は、どっか抜けてるようで飄々としててでもいいやつという

キャラクター作りが上手くて今回は荻沼くんにすっかり魅了されました。

 

うんちくに使えそうなネタも今回もふんだん。

 

とにかくパスカルとNHKは世の中のこと何でもわかってるって

思っておこう( ´艸`)

 

ただ、

「穏やかな時間が長く続くことに、人間は耐えられない。集団はそのうち、『何か面白いことはないのか』と嘆きはじめる」

 この小説の人間が平和であることに退屈や不安を感じ、そして争いや戦争が起きるというくだり、死神目線でみる人間は今ちょうどこの退屈や不安を感じ始めてるという状況にみえてるんじゃないかと思うと怖いなぁ

 

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