「めでたしめでたし」で終わらない絵本を読んでみる。
子供たちにはなるべくハッピーエンドの物語を読んでほしいと思っています。
色々な冒険や困難が生じても最後はめでたしで終わる。
その疑似体験が今後人生を歩むうえで背中を押してくれたり勇気を与えてくれるのではないかと感じてしまうから。
ところで、小さい頃から本好きな私。
若いころは恋愛小説が好きだったけど、最近はすっかりミステリー好き。しかも読後感最悪のいわゆるイヤミスが好きです。
この読後感の悪さを好む趣向は大人になってからのものだとずっと思っていたのですが、子供と一緒に絵本を読むと私は小さい頃から割とハッピーエンドではない絵本が好きだったなぁということを思い出しました。
ハッピーエンドの本のように読んでいて楽しいものではなかったし読み終わった後は心臓がきゅーっとなって悲しくなったけど、でもハッピーエンドの本と違いいつまでも心に残ってました。
そういう経験もいいかなーっと思って今回は下の2冊を読み聞かせてみることに

- 作者: シェル・シルヴァスタイン,Shel Silverstein,村上春樹
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2010/09/02
- メディア: ハードカバー
- 購入: 11人 クリック: 84回
- この商品を含むブログ (54件) を見る
実際に読んでみて
おおきな木
幼い男の子が成長し、老人になるまで、温かく見守り続ける1本の木。
木は自分の全てを彼に与えてしまいます。それでも木は幸せでした。
無償の愛が心にしみる村上春樹訳の世界的名作絵本。
あとがきに訳者の想いがあふれています。
「あなたはこの木に似ているかもしれません。
あなたはこの少年に似ているかもしれません。
それともひょっとして、両方に似ているかもしれません。
あなたは木であり、また少年であるかもしれません。
あなたがこの物語の中に何を感じるかは、もちろんあなたの自由です。
それをあえて言葉にする必要もありません。
そのために物語というものがあるのです。
物語は人の心を映す自然の鏡のようなものなのです。」
(村上春樹/訳者あとがきより)
小さい頃に読んだ時は私は少年目線で、
「私は絶対一緒に遊んだ木にお金せびったり切り倒したりするような大人にはならないぞ。木がかわいそうじゃないか。大体こんな少年のどこがそんなに好きなんだ!」
と思っていたのですが
今読むと完全に木目線。
無条件に木に甘えてくる少年に、いら立ちというより不安を感じるも、息子たちが同じように甘えてきたら私も喜んで幹を切り、切り倒すことを願ってしまう。
最期に疲れて戻ってきちゃうことすら悲しい。あのまま船でどこか遠くに住んでくれてた方が木は幸せなんじゃないかと思うくらい。
かわいそうなぞう
泣いてしまう。読み聞かせなのでたんたんと読みたかったけど途中でぞうのことを考えると泣いてしまう。
子供たちは静かに聞いてました。
終わった後に「かわいそうだね」と一言いってそのまましばらくしたらいつも通りになったけど、何かは感じてるはず
感想
悲しいからつまらないとなるんじゃないか?
悲しいから怖がっちゃうんじゃないか?
と心配してましたが子供たちは何かしら感じ取ってくれていたようです。読んでよかった。