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映画『楽園』の原作 犯罪小説集 吉田修一

 

映画『楽園』公式サイト

犯罪小説集 (角川文庫)

犯罪小説集 (角川文庫)

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

失踪した少女を巡り、罪悪感を抱え続ける人々。痴情のもつれで殺人まで行き着いたスナックママ。名家に生まれながらギャンブルの沼にはまった男。閉鎖的な過疎の村で壊れていく老人。華やかな生活を忘れられない元プロ野球選手。犯罪によって炙り出される人間の真実。凄絶で哀しい5つの物語。

著者について

●吉田 修一:1968年長崎市生まれ。97年「最後の息子」で文學界新人賞を受賞し作家デビュー。2002年『パレード』で山本周五郎賞、同年『パークライフ』で芥川賞を受賞。07年『悪人』で毎日出版文化賞、大佛次郎賞、10年『横道世之介』で柴田錬三郎賞を受賞。著書に『怒り』『森は知っている』『橋をわたる』など多数。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

吉田/修一
1968年長崎県生まれ。97年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞。07年『悪人』で第61回毎日出版文化賞と、第34回大佛次郎賞を受賞。10年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞を受賞

 

あらすじ ネタバレアリ

青田Y字路

これと万屋善次郎が映画化

 

北関東連続幼女殺人事件がモチーフ。

(1979年から連続して10歳に満たない女児が誘拐され遺体で発見された事件。未解決。)

 

小学生の藤木愛華ちゃんがY字路で友人の湯川紡(杉咲花)と別れた後行方不明に。

地元住民は周辺を捜索するも愛華ちゃんは見つからなかった。

 

この時、紡の父は町営団地に一人で住む無職の豪士(綾野剛)と一緒に水路周辺を捜索していた。

 

そして10年後。

再び事件が起きる。

 

またY字路で女の子が消えてしまう。

 

姿が見えない犯人に対して、住民たちは恐怖から怒りへと気持ちがシフトしていく中、湯川紡の父は「やっぱり豪士が怪しいと思わないか?」と住民にいう。

 

豪士は偽物のブランドバックを売っていた外国人の母を持ち、定職につかず母親の手伝いという形で今もまだ母に養ってもらっている。

そして湯川紡の父はあの日の夜豪士と一緒に水路を捜索した時に、分担して左右の水路を調べたが、その時ランドセルがある方の水路ではない方をわざと自分に調べさせたのではないかと疑っていた。

 

怒りで冷静さを失っていた住民たちはその意見に賛同し、豪士の家に向かう、町営団地につくころには全員が豪士が犯人だと決めつけていた。

 

呼びかけに応じないことを理由に扉をけ破り土足で家に侵入、そこには豪士も女の子もいなかったが、窓の外をみた住民が逃げていく豪士を発見。

 

住民たちは鬼の形相で追いかける。

 

豪士はそのままさっきまで食事をしていた油そば屋に逃げ込み助けを求めるも店員は助けてくれない。

自暴自棄になった豪士は店内に油をまき・・・

 

 

住民たちはその姿を遠巻きににらみつける。

 

 

そこで豪士は思う

 

又だ、小さい頃から外国人というだけで理不尽な扱い攻撃を受ける。

今回も帰宅途中で家が荒らされてるのをみてとっさに逃げただけなのに、誰も自分の話を聞いてくれない。誰も助けてくれない。

 

 

 

住民の中には愛華の祖父がいた

 

祖父はこう思う

 

もうどうであれ事件に区切りをつけたい。

楽になりたい。

だから決めつける

もう10年前の事件も今回の事件も豪士が犯人だと

豪士の母が来て「息子はなにもしていません」と叫んでいるが、それに対しても「じゃなんで逃げるんだよ!逃げるってことは犯人だ!愛華を返せ!返せないんだったら命で詫びろ!」

 

そこに一人の男性が。

その男性は今日女の子がいなくなった時間に豪士と一緒にいたと証言する。

 

おとこの証言により豪士はアリバイが証明されることになった

 

ところが、その直後油に火がついてしまい、火だるまになった豪士が出てくる。

 

そして同じ頃別の場所で女の子が無事に見つかったという知らせが届いていた。

別の男性が車で連れ去っていたところ警察が見つけたということだった。

 

 

 

10年前のY字路

 

花冠をつむぎに受け取ってもらえなかった愛華は近くにとまってる白い車をみつけそこにいた若い男が泣いていたので、「遊んでくれる人いないの?」と持っていた花冠を豪士の頭にのせてあげます

その後彼女は立ち去ろうとするも・・・

おとこは彼女を追いかけ頭から花冠が落ち、男はそれをふみつけて・・

ここで終わり

 

多分豪士がこの事件の犯人なんでしょうね

 

 

住民たちが勝手に魔女裁判を行い、豪士を死に追いやったのに、犯人ではないと分かった途端「なーんだ」って感じになってるのが一番怖い。そしてなんてかわいそうなんだ豪士と思ってたら1度目の犯人は結局豪士だったというのがまた…。

 

イヤミスすぎる展開でした。

 

 

曼珠姫午睡

英里子とゆう子は中学の時の同級生。

中学時代明るかった英里子は地味だったゆう子とほとんど接点はなかったのですが、30年以上たちゆう子が殺人事件の容疑者として逮捕されたことを知り興味を持ちます。

 

同級生たちに連絡を取ると、ゆう子が高校に入ってから化粧を覚えその後は手あたり次第男をあさり、その後はスナックを経営していたことをしり自分とは違う人生を歩んだゆう子を少しうらやましく思うも

やっぱり自分の人生を大切に生きようと思う

という展開

 

 

百家楽餓鬼

モデルは大王製紙事件

大王製紙創業家出身の経営者である井川意高が100憶を超える金銭を不正に子会社等から引き出しカジノに使っていた事件

 

この事件をモデルというかほぼそのまま小説にしたお話。

 

御曹司である永尾は小さい頃から豪邸にすみ、大学を卒業した後は自分の親の会社に入り、新規事業も見事に起動にのせる順風満帆な日々。

結婚した後はさらに会社の業績もあがり人生絶好調

ところが息抜きのつもりでカジノに訪れた永尾は今度はどはまりしついにはカジノで勝つ以外に借金を返せないほど額になり…

 

小説だけなら、ぼんぼん育ちとはいえきちんと勉強し事業も成功させていた人物がそんなあほみたいにカジノにはまるかなぁ?リアリティないなぁって思ってただろうな。

 

 

 

万屋善次郎

モデルは山口連続殺人放火事件

善次郎は中学卒業後、姉を頼り東京で働き結婚し幸せな人生を歩んでいたが、妻を病気で亡くし年老いた父親を見取るため生まれ育った佐久集落に戻ってきた。

その後父を亡くし一人になった今も村に住み続けている。

 

集落では60を超える善次郎も若者扱い、雑用を当たり前のように押し付けられるが、善次郎は生活手段として養蜂を営みながら村の人々の雑用を引き受けていた。

あるとき、善次郎のハチミツで村おこしをしようという話合いがあったため善次郎は早速役場に相談し許可申請をしたところ、うまいこと予算が下りることになった。

ところが集落のまとめ役の伊作が自分を通さずに役場と話を付けたことでメンツをつぶされたと感じ、言いがかりをつけてきた。

善次郎はその場を収めようと頭を下げたが・・・

 

伊作も伊作でここで許すと自分が村八分にされる恐れがあったため許すことができなかった。

 

そして村おこしはそのまま中止に。

その後善次郎は養蜂をやめ家の前にはマネキンを並べて「立ち入り禁止」と地面にかき周囲とはかかわらなくなった。

 

その後、伊作は多部夫婦の仲立ちにより善次郎宅を訪れて謝ろうとするが、善次郎が出てこなかったことに腹を立て、マネキンを蹴飛ばし「お前なんかこの集落にはいらん!この集落から出て行かないならこのぼろ小屋に火をつけてやる!」と怒鳴りつける。

 

その日の夜に集落では6人が殺される大惨事に。

 

容疑者の善次郎は腹をさして自害。

 

善次郎は村のため思って行動したのに村八分どころか村十分にされてしまう不条理さ。

そして村人がねあんまりというか全く反省していない感じがもうめっちゃ怖い。

 

白球白蛇伝

早崎という元プロ野球選手が現役時代のままお金を使ってしまいお金に困って人を殺してしまうまでのお話。

 

産まれたところがあまり治安がいい場所ではなく、それでも早崎の才能を信じ、彼を必死で守って野球だけに集中できるようにしてきたお兄さんと父親の努力が水の泡だなぁ…。

 

そしてかつてファンだったあこがれの選手がお金に困っていたから自分の会社で雇ったにもかかわらず全く改心せずにそれどころかお金貸さなかったからと殺される田所さんが不憫すぎる。

 

モデルは清原の覚せい剤事件なのかな?

清原選手はどうかこの後更生していってほしい

 

 

 

感想

どの犯罪も過去の事件がモチーフになっている。

犯罪者と悪人が=だと思っていたからこそ怖い事件が起こるたびに怖がってた小さい頃とは違い、犯罪者と悪人は常に同意とは限らないからこそ怖く感じるそんな心理をえぐってくる作品だと感じた。